音楽水車プロジェクトについて

▶コンセプト

■自然との共演
山に降った雨は森を潤しせせらぎとなり川となって陸を流れ、海に注ぎます。そして太陽に温められて蒸発して空の雲となり再び雨となって山に降ります。この地球の壮大な水の循環の途中で、水車はそのエネルギーをちょっとだけ借りて、くるくると回ります。水車の回転は地球のサイクルそのものを象徴するとも言えるでしょう。かつて日本の各地に水車が多数存在し様々な用途に利用されてきました。人々の暮らしは自然と向き合うことによって成り立っていました。それら水車のほとんどが姿を消した今、新たに「音楽を奏でる水車」をつくり、人間と自然が共演しようというプロジェクトです。

■音楽×アート×地域力
音楽・アート・機械・設計・建築・水道など多様な分野のエキスパートたちが知恵と技術を結集して一つのものを作り上げるという多彩なコラボレーション。地元の人材、地元産の資材といった地域力を結集するとともに、地域外からも人材が集まり、『音楽水車』というひとつの作品を通して分野や地域を超えた多くの交流が生まれています。

▶音楽水車プロジェクトのあゆみ

■2013年にジャズミュージシャン岡 淳の呼びかけで集まったミュージシャン、アーティスト、もの作りの専門家でスタート。「神戸ビエンナーレ2013」のコンペティションに出展した『種まきMILL』で準大賞を受賞。 2014年9月には岩手県一関市の地域おこし事業として、同市千厩町奥玉の飛ヶ森キャンプ場において自然の水で回る音楽水車を中心とした野外イベント「とびがもり水車音楽祭2014」を企画制作。地元岩手の様々な分野のエキスパートをはじめ多くの人がプロジェクトに加わり、音楽・アートと地域力の結集として大きな成功を収める。以後毎年9月の第一日曜日に開催し、2019年9月1日には第6回の開催が決定している。 2016年2月には愛媛大学・松山大学の学生共同プロジェクトsenseの招きにより、愛媛県内子町石畳地区において「音楽水車プロジェクトin石畳」を開催。岩手より運んだカラクリ装置と同地区の既存の精米水車を連結しするという初めての試みを成功させた。 2016年12月にはオーストラリアはパースに赴きMILLの制作とLeaderville Light Up Carnivalへの出演に協力。

プロジェクト主宰

岡 淳(おか まこと)/ テナー・サックス、フルート、篠笛

一橋大学在学中、室田武氏(故人)のゼミでエネルギー問題、エントロピー経済学、環境問題などについて学ぶ。
宮ノ上貴昭&スモーキン、池田芳夫カルテットなどで、ジャズシーンにデビュー。1990年に米国ボストンのバークリー音楽大学より奨学金を得て渡米。同学にて2年間学んだ後ニューヨークに移り2年間の武者修行、計4年間をアメリカで暮らす。
1994年帰国し、日本国内での活動を再開。自己のバンド「KAIMA」やサキソフォビア、酒井俊、綾戸智絵など様々なバンドやセッションで演奏する他、akiko、orange pekoe、平井堅、八代亜紀等のレコーディングに参加。現在はサキソフォビア、punch!、久米雅之5、奥平真吾The New Forceのメンバーとして演奏する他、中川ひろたか&モダン・ギャグ・カルテット、女優室井滋の「しげちゃん一座」にも参加している。

2013年に『音楽水車プロジェクト』を立ち上げ、音楽を奏でる水車の制作に取り組んでいる。同プロジェクトで神戸ビエンナーレ2013「ミュージック&アート・オン・ステージ・コンペティション」準大賞受賞。2014年より岩手県一関市千厩町において「とびがもり水車音楽祭」を開催。

インターネットホームページ http://www.oka.net/